
ペットロスの悲しみの五段階
【ペットロスは避けられない】
ペットを飼っている人が避けて通れないのが、「ペットの死」です。
我が子、兄弟同然と思って暮らしてきた愛犬や愛猫などのペットを失うことはとても悲しいことです。
辛すぎて、心の中にぽっかりと穴が開いたようになって生きる気力を失ってしまう人もい
ます。
ですが、「生きることは出会うこと」であり、「出会うことはいつか別れが来る」ことなのです。
ペットではなくても、人間の家族でもいつか別れる時がやってきます。
どうしても避けられない悲しみがペットロスなのです。
だからこそ、しっかりとペットロスに対する知識と考えを持っておくことが大切なのです。
【悲しみの段階】
ペットロスの悲しみには段階があります。
〈第一段階〉
「感情マヒの時期」
愛犬、愛猫の死という現実を受け入れられません。
あまりのショックに目の前で起こっていることを否定したくなります。
感情がペットの死(または別れ)を拒絶してしまいます。
つまり、ペットとの別れを「信じられない」「受け入れられない」「認めたくない」と思います。
〈第二段階〉
「思慮と検索の時期」
愛犬、愛猫の死を信じたくないという感情と現実に起こっていることの間で葛藤が始まります。
頭では(思考)ではペットがいなくなったと分かっていても、心がそれを受け付けません。
つまり、理性と感情の間で葛藤が起きることで、さらに感情や思考が乱れてしまうのです。
こうした状況下では、どうしたらいいのかが分らなくなります。
この段階では、愛するペットと分かれたくないという感情が、冷静に現実を受けいれようとする理性より勝っているのです。
〈第三段階〉
「混乱と絶望の時期」
ペットの死(別れ)が現実なのだという気持ちが強くなります。
つまり、認めたくないが起きていることが事実なのだという認識が強まります。
それにより、目の前で起こっている悲しい現実を徐々に受け入れるしかないと思い始めます。
そして、飼い主である自分の落ち度や獣医師に対する怒りや恨みなどの感情が押し寄せてきます。
飼い主は「もっと早く病気に気がついてあげれば良かった」「もっと面倒を見てあげれば良かった」「もっとたくさん遊んであげれば良かった」「自分のせいで死なせてしまった」などと自責の念が湧いてきます。
また、「どうしてあのとき早く症状を発見してくれなかったのか」「診断や治療にミスはなかったのか」と獣医師への不信感が湧いてくることもあります。
そうしたなかで絶望的な感情におそわれます。
死(別れ)ということが現実なのだと理解するからこそ、絶望感におそわれます。
〈第四段階〉
「再起の時期」
どうしても避けられない事実であることを認めざるを得なくなります。
現実を受け入れるしかないのだと思い始めます。
ペットを愛していればいたほど、我が子のペットと過ごした日々を取り戻したいという気持ちが飼い主にはあります。
愛情のある飼い主ならば、ペットと過ごした楽しい日々に戻りたいと思うのです。
それが二度と戻らないことにようやく感情が受け入れ始めるのです。
別れたくないという叶わない希望から目が覚めてきます。
つまり、諦めの気持ちが出てくるのです。
そして、悲しみとともに生きていくしかないと思い始めます。
〈第五段階〉
「立ち直る時期」
我が子の死(別れ)という悲しみよりも、ペット(我が子)と共に過ごしてきた日々の出来事や楽しかった思い出などを大切にしようと思い始めます。
ペットと過ごした日々を忘れないと誓います。
悲しみよりもペット(我が子)が安らかに天国で暮らすことを願うようになります。
寂しさや悲しみはまだ残っていますが、ペット(我が子)が飼い主の姿を見たら悲しむのではないかと考え、立ち直ろうと思います。
また、出来るならばペットと天国で再会したいと思います。
人によっては、ペットが生まれ変わって自分のところにやってきて欲しいという願いを持つことがあります。
そのことが生きるための小さな希望となるからです。
また愛するペット(我が子)と逢いたい。
「いつかまた逢えるのではないか」という思いがペットロスの飼い主の立ち直る力となります。
【虹の橋伝説】
犬の死に関しては、「虹の橋」伝説というものがあります。
この世とあの世を渡す橋があり、亡くなった動物たちはそこで飼い主が来るのを待っているというものです。
病気だったペットは元気な姿に戻り、広いたくさんの花が咲き乱れた草原で、走ったり、じゃれ合ったりして飼い主がやってくるのを待っているのです。
ペットはこの世に置いて来てしまった飼い主のことが気になってしまい、虹の橋で待っているのです。
つまり、飼い主が亡くなってあの世に行くために虹の橋を渡ろうとすると、天国に行く前に愛するペットと再会するという伝説です。
虹の橋伝説を否定することは簡単ですが、信じることで飼い主さんが生きる力を得ることは間違いありません。
飼い主さんが信じていたら、決して生きる希望を取り上げないでください。
合わせて『ペットロスに陥ったら【後半】』をご覧ください。
お読みいただきありがとうございました。
