ペットロスから立ち直るために!
まずは『ペットロスに陥ったら【前編】』をお読みください。
【ペットロスから立ち直るために】
受け入れがたい現実である愛するペットの死という辛い悲しみを乗り越えるためにはいくつか必要なことがあります。
〈遺体を見る〉
愛するペットの亡骸を見るのはとても辛いことです。
出来るならば目を背けたいと考えるものです。
冷たくなって動かなくなった姿を見ているだけで、飼い主の涙は止まらなくなります。
それでも冷たくなって動かなくなったペットの体を触ってみることで現実を受け入れやすくなります。
辛いことですが、ペットも最後に飼い主がなでたり触ったりしてくれることを望んでいると思います。
愛するペットのためにも亡骸と触れ合ってみてください。
それは、生前にしてあげていたことをすれば良いのです。
〈葬儀、供養をする〉
形式は個人の自由ですが、きちんと葬儀をすることで気持ちにケジメがつきます。
また、ペットの死後に飼い主がしてあげられる愛情表現でもあります。
ペットは飼い主に無条件に愛情を与えてくれました。
癒しや安らぎを与えてくれました。
そのペットの愛情に応えるためにも葬儀をしてペットの魂を供養します。
出来るならばペット火葬をすることをおススメします。
火葬後は、ペット霊園に納骨する方法と自宅に引き取って供養する方法があります。
せめて人間と同じように49日間は花を生け、毎日供養することがペットへの恩返しとなります。
ペットが亡くなっても、飼い主にはペットにしてあげられることがあるのです。
〈ペットとの思い出を形にする〉
愛するペットのことをずっと忘れないこともペットロスから立ち直るためには大切なことです。
そのためには、
・ペットの遺品を大切に保管する。
・ペットの写真を部屋に飾る。
・遺骨や位牌が自宅にあれば供養を続ける。
・ペットの姿をペットクッションにする。
・ペットの姿をなんらかのグッズにする。
クッション、写真、キーホルダーなどのペットグッズを作成することで愛するペットをいつも身近に感じられることができます。
これは、悲しみから立ち直るためには有効なことです。
【誰かがペットロスになったら】
もし、身の回りの親しい人がペットロスになったら気を付けることがあります。
ペットロスになった経験がない人、またはペットを自主的に飼ったことがない人は特に注意が必要です。
それはペットロスに陥っている人を慰めようとして逆に傷つけてしまうことがあるからです。
〈ペットロスの人を傷つける言葉〉
「気持ちはよくわかります」
この言葉はペットを飼ったことのある人が吐きやすい言葉ですが、ペットを一度も飼ったことのない人でも吐いてしまう言葉です。
それは慰めようとして言っているのですが、実際は慰めにはなっていません。
大切なことは「悲しみに打ちひしがれている飼い主には、あなたの言葉など耳に入らない」ということを知ることです。
飼い主にとってみれば、あくまでも飼い主とペットとの問題であると思っているからです。
ですから、たとえ同じようにペットを失った経験をしていても、同じだと思えないのです。
「飼い主も違い、飼っていたペットも違うのだ」、だから気持ちは同じじゃないと思うものなのです。
こうした飼い主の複雑な気持ちを察してあげることが大切です。
「長生きしたんだから・・・」
この言葉はなんの慰めにもなりません。
犬も猫も長生きするようになりました。
ですから長生きしたのだから諦めろ、いつまでも悲しんでも仕方がないと考えがちですが、飼い主にとってみれば、そんなことは関係ありません。
飼い主の気持ちはもっと生きて欲しかった。
一日でも長く一緒に暮らしたかった。
いつまでもずっと一緒にいたかった。
そう思うものなのです。
ですから、「長生きしたんだから・・・」という台詞は飼い主の気持ちを否定することになって、逆に傷つけることになってしまうのです。
「また新しいペットを飼えばいい」
この言葉をペットロスの悲しみにおそわれている人に吐くことは残酷です。
立ち直ってもいない人に言ってはいけない台詞です。
この台詞を聞いた飼い主はきっとこう思うでしょう。
「この人、どういう神経の持ち主なんだろう」
「この人は、少しもわたしの気持ちを分かってくれない」
愛するペットとは、我が子であり、自分の分身です。
確かに可愛い犬や猫は世間にたくさん存在しているし、新しいペットと出会うチャンスもあります。
でも、それとこれとは別なのです。
飼い主にとっては、他にいくら綺麗な毛並みの動物がいても、どんなに愛らしい動物がいたとしても、我が子は世界にたった一人(一匹)なのです。
飼い主にしてみれば、他人が毛並みの悪い猫や犬だと思っていても、かけがえのない存在なのです。
他の犬じゃだめなんです。
他の猫じゃだめなんです。
我が子がいいんです。
飼い主のこうした気持ちを理解することが大切なのです。
【ペットロスの人にどう接すればいいのか】
一番良いのは、ペットロスの飼い主さんの話をたっぷりと聞いてあげることです。
ペットとの思い出や出来事、いまの気持ちなどをただただ聞いてあげることです。
ペットロスの悲しみにくれている人は体を突き動かすような「打ち明けたい気持ち」のうねりにおそわれています。
ですから、その苦しみや悲しみの感情を表に出し、誰かに聞いてもらえたことで悲しみが整理され、感情の落ち着きが起こります。
たとえ飼い主さんの言っていることが変でも間違っていても、決して飼い主さんの言葉を否定してはいけません。
議論や説得は必要ありません。
むしろそうしたことは害しか生みません。
ただただ、飼い主さんの悲しみに寄り添って話を聞いてあげることが大切です。
そして、たくさん涙を流してもらうのです。
泣くという行為は悲しみを減らす効果があります。
決して「いい大人がそんなことで泣くな」とか「男なんだから泣くな」「泣いたらペットが悲しむよ」などと言って飼い主さんの悲しみに蓋をしてはいけません。
言葉をかけてあげることが重要なのではなく、飼い主さんの悲しみに寄り添ってあげる気持ちが大切なのです。
ペットロスの飼い主さんと接するときは、
聞くことが9割、話すことが1割以下で十分です。
大切なことは「否定しない」「共感してあげる」ことなのです。
あなたのその一言や些細な行動で、ペットロスの飼い主がさらに傷つくこともあれば、逆に立ち直る力を与えることにもなるのです。
お読みいただきありがとうございました。

