
オスの老犬がかかりやすい病気(肛門周囲腺腫)
【オスの老犬がかかりやすい病気】
オスは10歳を過ぎると、「前立腺肥大」「肛門周囲腺腫」「精巣腫瘍」「会陰ヘルニア」などの病気にかかりやすくなります。
【去勢手術で予防できる疾患】
オス犬は去勢手術をすることで予防できる疾患があります。
前立腺肥大、肛門周囲腺腫、精巣腫瘍、会陰ヘルニアなど。
去勢をする時期は、生後4ヶ月~10ヶ月くらいまでに行います。
最適なタイミングは、生殖能力が完成する前の生後6ヶ月前後です。
シニアの病気だけを防ぐのなら、5~6歳までに去勢手術してください。
去勢手術の費用は、病院によって違いますが、10㎏ぐらいの犬で2万~3万円程度です。
【オスの老犬がかかりやすい肛門周囲腺腫】
ホルモンの影響で去勢していないオスに多い病気です。
肛門の周りに腫瘍ができる病気です。
老犬や去勢していないオスに多く発症しす。
比較的良性なものが多いと言われています。
メスの発症はオスの約1/10です。
メスの場合、悪性の肛門周囲腺癌がほとんどです。
肛門周囲腺腫は良性であるものの、自壊といって表面から出血したり、膿が出たりすることが多いです。
自壊すると排便のたびに痛みが出たり、犬自身も気にしてしまいます。
多くは良性腫瘍ですが、時間の経過とともに大きくなります。
また、良性腫瘍から悪性腫瘍へと変化することもあります。
【症状】
・肛門周囲腺という肛門の周りの腺組織に硬いしこり(腫瘍)ができます。
・便に血が混じります。
・座っているところに血がついていたりします。
・しこりを気にしてお尻を舐めたりかいたりします。
・腫瘍が大きくなり悪化すれば排便が困難になります。
通常、痛みなどは伴わず、気づいたら肛門の周りに硬いしこりがあったといった感じで確認されます。
犬がしこりを気にしてお尻を舐めたりすれば、気がつきやすくなりますが、犬が気にしないようだと発見が遅れ、腫瘍が大きくなり、腫瘍表面が自壊し、出血や化膿が見られるようになります。
1か所だけでなく、数か所同時に発生することがあります。
【原因】
加齢に伴い、肛門の周りにある腺が腫瘍化します。
男性ホルモンが密接に関係するので、オスはメスの10倍かかりやすいです。
【診断】
肛門の周囲にできたしこりに針を刺して、細胞を顕微鏡で調べます。
しかし、それだけでは良性か悪性かは判別できないため、全身麻酔をかけて、しこりを摘出し、病理検査をする必要があります。
【治療】
外科的に取ります。
男性ホルモンが関係するので、腺腫を取るだけではなく、去勢をしていない犬なら去勢手術も一緒にするのが一般的です。
体の表面にできた腫瘍の場合、手術で取り除くことが第一選択となります。
しかし、肛門の周りの皮膚は常に伸び縮みしなければならないため皮膚にあまり余裕がない、皮膚のすぐ下に筋肉があるなどから、あまり大きく切り取ることはできません。
米粒ぐらいの時に発見して、その腫瘍の周辺をすべて取り除くとあまり転移しません。
尻尾の下がっている犬や毛の長い犬などで発見が遅れると、転移して外科手術だけでは取り除けないことがあります。
早期発見が大切です。
出来るだけ小さいうちに手術を行うことが大切です。
術後の感染症などの注意が必要となります。
【予防】
若いうちに去勢手術をすると、肛門の周りの腫瘍にはなりにくいです。
肛門周囲腺腫は男性ホルモンと関係があるため、ホルモン供給を遮断する意味で精巣を取ってしまうほうが再発の可能性が少なくなります。
一般的に肛門周囲腺腫は、良性と診断されても、経過とともに悪性に変化することがありますので注意しなければなりません。
若いときに去勢手術をすることが一番の予防となります。
【早期発見のポイント】
・便をしたときに、肛門から血が出たり、便に鮮血が混じる。
・肛門を触ると、コロリと丸いようなものがある。
老齢期に入ったら日ごろから愛犬の排尿排便を観察しましょう。
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