
猫の食欲について!
【猫にとって質の良い食事とは?】
古代エジプトを発症とする家猫は、人間と暮らすようになって数千年の間、自分の食べものは狩猟によって自分で獲得していました。
それがいまでは人から提供される食事ばかりを口にしています。
猫はそれで本当に満足しているのでしょうか?
それは本当に猫が食べたいものなのでしょうか?
猫を飼っている人のほとんどがスーパーなどで購入したキャットフードを買ってきて、お皿にザッとあける。
量が減ったら足す。
愛する飼い猫の食事がこの繰り返しになっていませんか?
飼い主さんの中でキャットフードの細かい成分まで理解している人はほとんどいないのではないでしょうか?
それでも毎日同じようなドライフードを与えてしまう。
猫によっては、毎日同じキャットフードを食することに飽きている猫もいるはず。
(我が家の飼い猫もそうです)
人間だって、いくら好物だからといって、毎日3食同じメニューの食事では飽きてしまうのではないでしょうか?
多くの人が利用しているドライフード(カリカリ)は、栄養バランスもよく、あとは水さえあれば健康に生きられると言われています。
たしかに手軽で手間がかかりません。
人間の側にとっては楽です。
しかし、実際は消化の悪い成分や添加物、アレルギーなどの問題もあります。
愛猫の健康寿命のために食事を見直してみるのもいいのではないでしょうか。
【ニオイこそ食欲の入り口】
猫の食事について飼い主さんを悩ませることの一つに「好き嫌いの基準が分からない」ということがあります。
いつも食べていたフードを急に食べなくなったり、「これじゃない」とばかりに飼い主さんを見て無言の抗議をしたりするときがあります。
高価なフードを用意しても、ニオイを嗅いだだけでお皿から離れたり、“猫またぎ”して行ってしまうこともあるのではないでしょうか。
味が嫌なのか、飽きたのか、単に気まぐれなのか?
何が気に入らないのか分からず悩まれるものですが、実は猫の判断材料は「ニオイ」なのです。
猫の食べ物に対する嗅覚はとても敏感で、微妙な違いや変化も感じ取ります。
いつものフードでも開封後日にちが経ち、酸化が進んでニオイが変っていたり、同じブランドでも素材や添加物が微妙に変わっただけでも食べなくなることがあります。
猫は味覚よりも何よりも、まずニオイで食べるかどうかを判断するのです。
基本は「食べない=ニオイがお気に召さない」ということです。
「好き嫌い」の基準もまずニオイなのです。
【猫の味覚はどうなっているのか?】
すぐれた嗅覚に対して、猫の味覚はどうなっているのでしょうか?
猫は美食家といわれるものの、舌の表面の味覚の受容器・味蕾(みらい)の数は人間の1/15程度しかありません。
〈猫の味覚の特徴は〉
・苦味と酸味には敏感である。
・甘味と塩味はほとんど感知できない。
・アミノ酸の旨味を感知している。
野生では食べ物となる獲物の毒性や腐敗を感知する必要があるため、苦味や酸味には敏感なのです。
また肉食動物の本能として動物性タンパク質を欲するので、そこに含まれるアミノ酸の旨味についても感知しています。
雑食性の犬に対して、代表的な肉食動物である猫は、旨味を感知する能力が犬よりも優れているのです。
この旨味への感度が食材の鮮度へのこだわりとして表れてくるのです。
食べ物を口に入れた後は、食感と味、そしてエネルギー源を得ているという生理的感覚が総合されて「うまい」という満足感や食べる喜びを得ているのだと考えられています。
【体調やごはんの与え方にも注意する】
注意したいのは、体調不良で嗅覚が鈍くなっているときも食べなくなるということ。
鼻炎や猫風邪などの感染症で鼻づまりを起こしたり、歯周病や口内炎で食べづらくなっていることもあります。
外因としては、食器や食事スペースにいつもと違うニオイがすると嫌がる猫もいます。
食器洗浄はよく洗い流し、化粧品や殺虫剤のスプレーなどの臭いにも注意しましょう。
猫は生活リズムも食事も共に暮らす人間から大きな影響を受けています。
朝夕の食事タイムが設定されたり、逆に好きなときに好きなだけ食べることができたりと、“飢えとは無縁の環境”にいることで「食べない」という気まぐれな自由も許されるわけです。
また、肉食動物なのに、野菜や果物から人のおやつまで口にする雑食性が生まれたことも、猫の好き嫌いのナゾを深める一因となっています。
なぜか食べてくれないとき、嗜好や偏食によるのか、体調なのか、気まぐれなのか、よく観察して判断することが大事なのです。
【まとめ】
猫は味覚よりも“ニオイ”で食べるかどうかを判断する。
猫が食べないときは“ニオイ”がお気に召さないのだ。
猫は旨味を感知する能力が高く、敏感である。
猫の好き嫌いも「十猫十色」、飼い猫の好みをよく観察して理解しましょう。
お読みいただきありがとうございました。
