
シニア期の猫の食事を見直す!
【シニア期・高齢期の食事の選び方】
シニア期の猫は活動量も代謝量も落ちているので、若いときと同じ成猫用のフードを食べ続けるとカロリーを取り過ぎてしまいます。
カロリー過多は肥満を招きやすく、糖尿病などさまざまな病気の心配が増えます。
ゆえにシニア食は低カロリーを基本とします。
ただし猫は体重1㎏あたり人間の6倍のタンパク質を必要としていることを忘れてはいけません。
キャットフード売り場には「10歳から」とか「15歳が近づいたら」など、年齢別・ライフステージ別のフードがいろいろ置かれています。
シニア期(7歳~)からのフードは成猫用よりも低カロリー、低タンパク質、低マグネシウムのものが増え、腎臓ケア・泌尿器疾患対策をうたうものが目立ちます。
年齢表示は飼い主側には便利ですが、年齢は合っても、あなたの愛猫の体質や健康状態に合うとは限りません。
パッケージの表示やセールスコピーにただ頼るのではなく、成分表示も自分の目でよく見るといいです。
愛猫の健康寿命を願うなら、以下の点に留意して良質なフードを選びましょう。
〈シニア期の食事見直しのポイント〉
〇できれば無添加(添加物不使用)のものが理想。
〇できればグレインフリー(主原料が肉・魚で穀物不使用)が理想。
〇低カロリーのもの(100gあたり350~389KCal)
〇成猫気に比べて低脂質のもの(資質13~20%)
〇腎臓に不安がある場合は低タンパク質のもの(タンパク質25~35%)
〇痩せに不安がある場合は高タンパクのもの(タンパク質~70%)
【シニア食を食べてもらうには】
「シニア期だよ、体にいいんだよ」と言われても、猫は食べたいものを食べるだけで口に合わないものは食べてくれません。
いくら健康のためを考えた食事でも食べないと意味をなさず、食べる自由と喜びを奪ってしまっては健康にも逆効果になってしまいます。
シニア食にシフトする際、もし、猫の食欲が落ちるような場合は、次のことを試してみてください。
① それまで食べていたフードに少しずつ混ぜ、徐々にその割合を増やしていく。
② 切り替えの際に好きなトッピングを多めに加える。
③ ウェットタイプや手作りのものはレンジで38℃前後に温めて出す。嗅覚が低下したシニアを臭いで刺激する。
④ 食器を台に乗せて食べやすくする。
年を取ると、屈んで食べると口からこぼしやすくなるので食器の位置から高くなるようセットする。台の高さは6~8センチが目安。
【遺伝性疾患や体質に配慮して】
現在は健康でも、遺伝性の病気があったり、健康診断で病気になりやすい傾向が見つかった場合、療法食的なものが必要になってきます。
発症しないように食事で予防するという考えで、掛かり付けの病院との連携をはかります。
たとえば猫には肥大型心筋症(遺伝性心臓肥大)という病気があります。が、症状が軽ければ心臓負担軽減の食事療法で対応できます。
鶏肉や魚などの低脂肪高タンパク質の食材と野菜などをフードプロセッサーで練って与えたり、スープの作り療法食を与えるのも効果的です。
【まとめ】
フードの成分表をチェックして、飼い猫にあったフードを選びましょう。
フードは、低カロリー・低タンパク質・低マグネシウムを与えましょう。
お読みいただきありがとうございました。
