
猫のオシッコがでない!
【苦しそうな鳴き声は緊急事態】
猫がトイレにうずくまったまま、ふだん聞かない低い声で「アオーッ」などと鳴いたら「つらい、苦しい」と言っているのです。
原因は膀胱炎や尿道結石による排尿困難、あるいは便秘です。
尿もなかなか出ずに、ポタリと垂らしたり血尿をともなえば、ほぼ間違いなく下部尿路疾患です。
とくにオスの尿道は細いので、結石ができると尿道が詰まってしまい(尿道閉塞)、激痛をともなうのです。
我慢することが多い猫が呻き声を上げるのですから、よほどの痛みなのです。
苦しげに嘔吐する様子もあれば、急性腎不全から尿毒症を起こしている可能性があり大変危険な状態です。
早急に動物病院で尿道を開通させる必要があります。
一刻の猶予もないと考えすぐに猫を病院に連れて行ってください。
【排尿困難は尿道結石が多い】
尿が詰まり気味のときは、尿道結石の疑いあり、尿中にザラザラしたものやキラキラした結晶が見えることがあります。
これが泌尿器管で作られたマグネシウム、リン、カルシウムなどのミネラル成分の結晶や結石です。
猫の尿は通常は弱酸性で、アルカリ性になるとミネラルが結晶化しストルバイト結晶に、酸性だとシュウ酸カルシウム結晶が出来やすくなります。
結晶で最も多いのがストルバイト結晶によるもので、これは療法食で溶かすことが可能ですが、シュウ酸カルシウム結晶は溶かすことが出来ません。
結石を予防するには、尿を弱酸性から中性に保つこと。
そして尿が濃くなると結晶化が進みやすいので、猫になるべく水分をとらせて、スムーズな排尿を促すことです。
【いつもと違うことに敏感になる】
泌尿器系に問題が生じている猫は、トイレ以外の場所でオシッコをしてしまうことがよくあります。
病気によって尿意も変調をきたしていると考えたれますが、いつもと違う行動をとることで飼い主に自分の異変を知らせているとも考えられます。
猫は我慢強い一面があっても、本当につらいときは飼い主に頼ることも知っています。
あえて粗相をしてしまう理由を飼い主は早めに理解してほしいと思います。
【尿路結石を予防するには】
〈尿路結石の予防〉
・水をたくさん飲んでもらう。
新鮮な水をいつでも飲めるように常時数か所に水の容器を用意しましょう。
・ウェットフードを取り入れる。
ウェットタイプは8割近くが水分なので、水をあまり飲みたがらない猫や飲水量が足りないときの水分補給になります。
スープタイプもおすすめです。
・ミネラル含有量の少ないフードをあげる。
結晶・結石の原料になるミネラル分(マグネシウム、カルシウム、リン)の含有量を抑えたフードを与えましょう。
・消化のよい良質なフードを選ぶ。
泌尿器疾患の予防に配慮していることをうたうフードでも、穀物使用量が多い消化の悪いものは逆効果になることがあります。
・トイレは清潔に使いやすくする。
オシッコを我慢することのないようにトイレはいつも清潔にしておきましょう。
・尿の㏗を中性に保つ。
気になるときは犬猫犬用の㏗試験紙で酸性・アルカリ性をチェックできます。
【尿路結石になったとしても】
人間の尿路結石もそうですが、腎臓に結石があるだけでは痛みなどは発生しません。
腎臓に出来た結石が尿管に入ってくると痛みを伴います。
ですから、レントゲン検査などで獣医師に“石があります“と言われても、すぐに命を落としたり手術する必要はありません。
ですが、結石の予防や食に注意する必要はあります。
特に水分を多く取れる環境を整えることが大切です。
【まとめ】
水はいつでも飲めるように数か所に用意してあげましょう。
特にオスは詰まりやすいから普段から水をたくさん飲むようにさせましょう。
オシッコが出ていないようなら、尿路結石の疑いがあります、すぐに病院に連れて行きましょう。
お読みいただきありがとうございました。
