
猫のオシッコが近くなる!
【愛猫の排泄をチェック】
ふだんの健康管理の基本といえるのが排泄のチェックです。
猫の体調の変化は、尿や便の回数・量・色などに表れやすく、何度もトイレへ行く、トイレ時間が長くなる、下痢や便秘をするなど、病気の兆候や症状が排泄行動に表れることも多いのです。
毎日のトイレ掃除では排泄物をよくチェックし、ストレスのない排泄ができているか注意する習慣をつけましょう。
【オシッコチェックはとくに大切】
愛猫の排泄の様子をまめにチェックすることは、病気の早期発見のためにも重要です。
猫には膀胱炎や尿路結石など、猫泌尿器症候群(FUS)と呼ばれる泌尿器系の病気が多く、頻尿、血尿などの症状が表れたら、できるだけ迅速な対応が必要となります。
トイレ掃除の際には尿の量や回数、色を確認する習慣をつけ、猫がトイレにいるときと排泄前後の様子におかしなところはないか注意し、体調の変化を早く察知できるようにしましょう。
【尿や便に体の状態が表れる】
毎日のトイレチェックを健康チェックの機会と意識していれば、尿量の変化や下痢・血便・便秘などの異常にも早く気づくことができます。
オシッコの量が増える多尿は腎臓病や糖尿病が疑われ、高齢の猫は特に注意が必要です。
下痢は一過性の消化不良のこともあれば、感染症や寄生虫が原因の場合もあり、安易に見過ごしてしまうのは危険です。
尿や便は猫の体の中の状態を教えてくれます。
トイレチェックをぜひ健康管理に役立ててください。
【頻尿は下部尿路疾患のサイン】
猫は泌尿器系のトラブルが多く、排尿に病気のサインが表れることが多いのでオシッコチェックは大変重要です。
猫のオシッコは通常1日1~3回で、食事や水分摂取量によって多少変動しますが、日に4~5回以上もトイレへ行くようだと頻尿と言えます。
頻尿の原因となるのが下部尿路疾患と呼ばれる膀胱から尿道にかけてのトラブルで、膀胱炎、尿道結石、膀胱腫瘍などの可能性が考えられます。
〈次のような症状が見られたら下部尿路疾患のサインと考えます〉
・日に何度もトイレへ行く。
・トイレに行ったばかりですぐにまた行く。
・トイレにいる時間が長い。
・トイレ以外の場所で排尿する。
・尿の出が悪い。
・血尿が出る。
・尿のにおいがキツくなる。
・尿が白っぽく濁る。
・尿にキラキラした結晶が見える。
・排尿時の痛みで鳴く。
【尿の色が赤くなった】
トイレチェックでは、尿の色やにおいにも注意します。
健康な尿の色は薄黄色。
においもさほどキツくありません。
赤みを帯びたり褐色にみえるときは血尿など異常のしるしです。
トイレの砂やシートは白色系のものを使うと色がわかりやすいです。
血尿は尿中に血液が混じった状態で、薄赤色から全体が真っ赤になる尿まであり、血液が濃ければ尿から血液臭がするほどになります。
また部分的に血の塊が混じることもあります。
原因は泌尿器である腎臓、尿管、膀胱、尿道の経路からの出血です。
膀胱炎では細菌感染や結晶などで膀胱粘膜を傷つけて出血が起こります。
こうなると猫は頻繁にトイレにいきたくなるのです。
【多尿は腎臓病や糖尿病のサイン】
1日の排尿回数が増える頻尿に対し、1日の排尿量が増えることを多尿と言い区別します。
多尿の多くは腎臓疾患や糖尿病によって起こる症状で、水をたくさん飲む(多飲)ことも特徴です。
尿量は食事の内容や環境によっても変動しますが、体重1㎏あたりおよそ18~20mlが1日の尿量の目安です。
体重4㎏の猫なら1日72~80mlが平均的尿量で、それを超えるようなら多尿と判断します。
【砂の固まりでも尿量がわかる】
トイレにペットシートを使っている場合は、使用前と使用後のトイレ容器の重さを計ることで尿量の目安になります。
砂を使っている場合は尿量を厳密に知るのは難しいので、掃除のとき砂をすぐ捨てずに、濡れたり固まっている砂をよく見る癖をつけておくことです。
平常時の尿量を砂の固まりの大きさや重さで把握しておきましょう。
いずれにしろトイレを見て明らかに量が増えているときは多尿と判断することです。
【多尿を引き起こす病気】
「慢性腎不全」
高齢の猫に増える。
水をたくさん飲みたくさん出す多飲多尿が症状の特徴。
「糖尿病」
高血糖となり、飲水量が増えて尿量も多くなる。
「子宮蓄膿症」
子宮内に膿がたまる病気で、抗利尿ホルモンが抑制されるために尿量が多くなり、水を多く飲む。
「甲状腺機能亢進症」
全身の新陳代謝が活発になり、腎臓の血流量が増加して多尿となる。
【まとめ】
しょっちゅうトイレに行くのは危険信号!
頻尿も多尿も血尿も、原因となる病気は軽視できないものばかり。
日に何度もトイレにいくようになったら、動物病院に行きましょう。
お読みいただきありがとうございました。
