
猫の甲状腺機能亢進症
【猫の甲状腺機能亢進症とは】
元気に見えても危険なのが『甲状腺機能亢進症』です。
猫にとっては糖尿病よりも多く見られる病気です。
猫の内分泌疾患で一番多い病気です。
〈甲状腺機能亢進症とは〉
「甲状腺」は体の新陳代謝を促進する甲状腺ホルモンを分泌する期間です。
甲状腺ホルモンが出過ぎると、体の組織の代謝が異常に上がってしまいます。
こうした状態を「甲状腺機能亢進症」と言います。
発症年齢は、中高年の8歳ごろから見られます。
高齢で発症することが多い。
【症状】
急激な変化が生じるわけではなく、症状が少しずつ進行するので飼い主さんにとっては、気がつきにくい病気です。
〈症状〉
・食欲が増してくる。
・体重が減少する。
・多量に水を飲み、尿の量も増える。
・嘔吐や下痢がある。
・攻撃性が増す。
・落ち着きがなくなる。
・目がぎらつく。
・毛並みが悪くなる。
よく見られる症状は「たくさん食べるのに痩せている」です。
また、性格が変化することもあります。
進行すると心筋障害、高血圧、腎臓病を引き起こすこともありますので注意が必要です。
甲状腺機能亢進症になると、「高齢の割に食欲があり元気」と、一見病気とは思えない様子を見せます。
しかし、おとなしかった性格が急に攻撃的になったり落ちつきがなくなったり性格の変化が現れます。
症状が進行すると、最終的には食べる元気もなくなり、心肥大、呼吸困難などが見られます。
【治療】
血液検査で診断がつきます。
〈治療法〉
・甲状腺を取る手術を受ける。
・甲状腺の機能を抑える薬を飲む。
・専用の食事に切り替える。
「手術」をすれば完治するケースが多く、甲状腺を取り出して完治すれば、その後は治療も必要ありません。
「投薬治療」は一生続ける必要があります。
猫によっては副作用が出ることもあります。
かゆみがでたり皮膚がただれたり、貧血になる、白血球の数値が下がるなどが見られます。
「食事療法」の場合は、決まった食事と水以外は何も与えてはならず、おやつや猫用ミルクも禁止という厳密な方法をとる必要があります。
【予防】
残念ながら甲状腺機能亢進症は、発症する原因がまだ充分に解明されていないので、予防法がないのが現状です。
飼い主さんができることは、日ごろから飼い猫の様子をチェックして、体に異常がないかをこまめに確認するとともに、定期健診を受けさせることで、早期発見、早期治療を心掛けることが大切となります。
〈原因について〉
猫の甲状腺機能亢進症は、1980年代以降に急増しました。
これはちょうどペットフードが普及した時期を重なるため、フードに含まれる何らかの物質が関与しているという説があります。
また、住宅を建築する際に使用される化学物質などが、甲状腺機能亢進症の発症に関与しているという説もあります。
【まとめ】
早期発見し、適切な治療をすることができれば死ぬような病気ではありません。
早く気がつけるように、日ごろから飲水量などを記録して変化に気がつきましょう。
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お読みいただきありがとうございました。
