
猫は、よく吐く!
【猫は健康でも吐くことが多い】
猫は吐きやすい動物だと言われています。
人の食道が平滑筋で組織されているのに対して、猫の食道は横紋筋で組織されており自らもどすことが容易なためです。
そのため勢いよく食べたり、食後に暴れたりしただけでも吐いてしまうことがあるのです。
これは急な腹圧変化のためなので心配ありませんが、猫も人間同様、食後はしばらく安静にしていたほうがいいのです。
吐いた後、いつものおすまし顔で元気にしているなら心配ありません。
また、空腹時間が長いと胃液を吐くことがあります。
朝方の嘔吐は、自らの胃液に刺激されているためです。
夜間にカリカリの食事をお皿に入れておくと、空腹を回避し、吐かなくなることがあります。
それと、猫の嘔吐で、もう一つ特徴的なものがあります。
それは、ヨガのように腹を何度か凹ませて吐くこと。
初めて猫と暮らす人がこれを見ると、驚いて病気の心配をするようですが、猫にはよくあることです。
これは毛づくろいで飲み込んだ毛やイネ科の草を胃の噴門から吐き出そうとする猫特有の生理現象なのです。
【週に何度も吐くと要注意】
猫は吐きやすい動物とはいうものの、毎日吐いたり、立て続けて吐くようならば体に異変があります。
さらに頻繁に吐き続けると胃液も吐き出し、体液が消失されて必要な栄養が摂れなくなります。
とりあえずは飲水飲食を止めて、猫をよく観察する必要があります。
原因を考えるとき、まず与えているフードの酸化を疑います。
高齢で体調が思わしくなければ、胃腸疾患をはじめ、すい臓、肝臓、腎臓などの臓器の機能低下の可能性があいます。
気をつけたいのは、尿路結石が出来やすいタイプの猫で、排尿困難となって吐き始めたら直ちに病院で診察を受けてください。
【毛球症対策にはオリーブオイル】
猫は毛づくろいにより、抜けた毛を飲み込んでしまいます。
毛は消化されず、多くは便に排泄されますが、胃の中にたまってしまうことがあります。
猫はこの毛の固まりを吐き出したいのです。
胃の中での毛の固まりは、毛球と言い、異物となって胃腸の働きを低下させます。
便通が悪くなれば食欲が落ち、やせてしまいます。
対処法として、毛球ケアや毛球軽減のフードや便通を促進する療法食もあります。
食物繊維の多いキャベツやカボチャなどの野菜をフードに混ぜてやっても排泄を助けます。
また、オリーブオイルは大腸内の潤滑油の効果があり、小さじ1杯程度なめさせると、毛球を含んだ便の排出をスムーズにします。
【猫草には効用いろいろ】
毛球を吐き出す助けをしてくれるのがキャットグラスや猫草と呼ばれる猫食用の植物の葉です。
一般的に市販されているのは牧草のカラスムギ(えん麦)、イタリアンライングラスなどで、これらと小麦、大麦のイネ科の若葉を総称して猫草と呼んでいます。
自由に野外を歩きまわれる猫であれば、地面に生えたエノコログサやオヒシバなどのイネ科植物を好みます。
元々日本の猫はそうした野草を食べていました。
肉食動物の猫にとっての猫草は、いわば胃腸薬のようなもの。
〈猫草の効用〉
・葉脈の食感を楽しむ。
・葉脈の細かなイガイガが胃壁を刺激して吐きやすくする。
・繊維質を摂って排便を促す。
猫草は、ウサギなどの餌として売っているエン麦を鉢にまいて栽培しても猫は好んで食べます。
ただ、猫草に興味を示さない猫もいるので、無理に食べさせなくても大丈夫です。
【まとめ】
猫はよく吐くけど、回数が多いと要注意です。
猫草(キャットグラス)は、胃にたまる毛球を吐き出す手助けをします。
お読みいただきありがとうございました。
