猫の便に血がまじる!
【便に虫がいた】
便ほどお腹の中を雄弁に語るものはありません。
色や形状や量でその日の体調がわかります。
健康であればコロッとしているものです。
まれに便表面に白く動くものを見つけることがあります。
これは瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)の老熟した片節(体の一部)です。
寄生したノミを毛づくろいしたときに飲み込んで感染してしまいます。
猫条虫も同じように片節が便中に排出されます。
条虫の卵を食べたネズミを捕食して感染します。
片節はこたつなどでお腹が温まると排出されることが多く、肛門周りについていたり寝床に乾燥した片節が落ちていたりします。
また、3~12㎝ほどの白い輪ゴムのような猫回虫が見られることもあります。
子猫では母乳を介して感染し、寄生すると発育不良となり衰弱してしまいます。
万一見つけたら動物病院でしっかり駆除してもらいましょう。
外出自由な猫の場合、蛇やカエルを捕食して感染するマンソン裂頭条虫が寄生することもあります。
便に寄生虫らしきものが出たときは、写真を撮るか、可能なら便ごとジップロックなどで密封して病院へ持参してください。
【便に血が混じっている】
便に血が混じる血便には、血の付着のしかたによって以下の4種類に分けられます。
〇便に赤い血が混じっている血便。
小腸や大腸の前半での出血が考えられます。
〇便全体が黒っぽい血便。
口腔から小腸など肛門から離れた場所での出血が考えられます。
鉤虫(こうちゅう)という寄生虫によっても小腸内で出血することがあります。
〇便表面に鮮血が付着する血便。
大腸の後半から肛門付近の出血が考えられます。
〇赤い下痢。
食物アレルギーや細菌感染などで胃腸炎を起こしていると考えられます。
出血の箇所によって血便の色が変わってくるので、発見したらよく観察し、写真でも撮っ
ておきましょう。
病院が近所であれば血便そのものを持参してもいいです。
(時間が経過すると変色してしまうので不可)
嘔吐や下痢などがないか猫の様子もよく観察して獣医師に伝えてください。
猫は元気でも感染症などの可能性もあるので早めに病院へ連れて行くことです。
【下痢が続いている】
水様便やゆるい便が続く下痢の原因には、体調不良や食べすぎ、消化不良、ストレス、乳糖不耐症など一過性のものと、感染症や寄生虫による慢性的なものがあります。
一過性と思ったのが食事を抜いても治らず、2~3日も下痢が続くようなら診察を受けるべきです。
その際、便を密封して持参し、寄生虫検査もしてもらいましょう。
子猫は猫汎白血減少症(猫パルボウイルス感染症)でひどい下痢をおこすことがありますが、3種混合ワクチンの接種で予防できます。
すでに感染した子猫だと衰弱が早く命にもかかわるので、治療を急ぐ必要があります。
【4日間便通がないと要注意】
猫は普通、1~2日に1回排便をします。
排便が4日間ないときは便秘と判断され、牛乳を与えたりフードを見直すなどして様子を見ます。
それでも便通がなく吐き気も出るようだと、動物病院で浣腸か手技排便を行うことになります。
便秘気味の猫には水溶剤や座薬などの下剤がありますが、猫自身が体を動かすようにしたり、繊維質の多い食事に切り替えるなど、なるべく猫に負担がかからない方法を探すようにしたいです。
運動不足解消のために、飼い主が協力して遊ぶ時間を増やすことも大事です。
【まとめ】
こんなときは必ず寄生虫検査をしましょう。
・外で子猫を拾った。
・迷い猫を保護した。
・野良猫を家で飼うことにした。
・外出自由な猫が下痢をする。
お読みいただきありがとうございました。