
【猫は気分屋?】
猫の行動である「爪とぎ」「毛づくろい」「あくび」などの裏には重要な意味が隠されていることがあります。
それはニャンでしょうか?
猫を飼っていると「それって、いまやることじゃないんじゃないの?」って思うときがありませんか?
そうした行動のことを「転位行動」と呼びます。
転位行動とは、自分の気分(気持)を落ち着かせる行動のことです。
猫科の動物は狩りをします。
ですが、狩りの成功率は約1割しかありません。
つまり、10回のうち9回は狩りに失敗しているということです。
はっきり言うと頻繁に失敗しているのです。
失敗すると気分は落ち込みますよね。
人間もそうであるように猫だって狩りに失敗するとネガティブな気分になるのです。
猫は狩りに失敗するたびに「また失敗してしまった」というストレスを抱えます。
ですが、このストレスを発散する方法を猫は開発したのです。
それが転位行動なのです。
つまり、嫌なことがあったときに普段行っている日常の動き(毛づくろい、爪とぎなど)をすることで気分転換をしているのです。
落ち込んだ気持ちを立て直し、感情の平安を保とうとしているのです。
【一瞬で変わる猫の気分】
猫は「撫でて~」と甘えて寄って来るときがあります。
そこで飼い主は撫でてあげます。
飼い主が猫の要求にこたえてお腹を摩っていると、今度は急に手に噛みついてくるときがあります。
なんで??
と、飼い主は思います。
これは猫の気分(気持ち)が一瞬で変化するからです。
これは野生の頃から持っている本能のようなものです。
狩りを失敗ばかりしている猫科の生き物にとっては、いつまでも狩りの失敗に落ち込んでいないで「まっ、いいか!」と気分を変えることが大切だったのです。
その名残なのです。
つまり、猫は転位行動に優れ過ぎているがゆえに、一瞬で気分を変化させることができるが、それが人間には戸惑うことにもなっている、ということなのです。
要するに猫は「自分があまえてもいい状況だったらあまえる」のです。
猫の要求に対して飼い主が応えてくれたら「もういいよ」となるのです。
ですが飼い主がその猫の気持ちに気がつかずに、ずっとお腹を撫でていると「余計な事しないで!」って怒り始めるのです。
このへんが犬とは対照的に違うところなのです。
【人間も行っている転位行動】
転位行動の本来の意味は「ストレスを感じた際に取る、前後の行動とは全く脈絡のない行動」です。
要するに転位行動とは、想定外のことが起きてしまったことに対する心のバランスを取り戻す行動なのです。
これは猫だけでなく、人間も普段の生活の中で自然と行っていることなのです。
現時点のマズイ状況を違う状況に変化させようとすることです。
猫の例
「高いところに飛び乗ろうとして失敗した」➡毛づくろい、ダッシュなど=転位行動
人間の例
「人前に立って話をするときに緊張してしまう」➡貧乏ゆすり、頭をかく、顔を触るなど=転位行動
猫という生き物は人間にとても似ているのです。
しかし、猫のほうが人間よりもストレス発散することが上手なのです。
人間も猫のストレス発散に学ぶべきなのかもしれません。
【まとめ】
猫の気分(気持ち)は一瞬で変化する。
猫はストレスを発散するために転位行動を取る。
お読みいただきありがとうございました。
