
犬の老いを考える!
【今の犬はなぜ長生きなのか?】
犬の寿命は年々伸びています。
寿命が伸びるということは、犬の老後が増えるということです。
別の言い方をすると、老犬が増えているということです。
犬の平均寿命の推移を見てみると、
1990年は、8.6歳。
1995年は、10.1歳。
2003年は、11.9歳。
となっています。
犬の寿命が延びた理由としては、
〈理由その1〉
「伝染病で亡くならなくなった」
1980年代までは、犬の伝染病が数多くありました。
時代が変わってワクチン接種が常識となったことで寿命がのびました。
〈理由その2〉
「フィラリア症の予防が普及した」
フィラリア症は蚊が媒介する病気で、野外で何の予防もしていない犬は100%といっていいほどフィラリア症になっていました。
フィラリア症にかかると犬の体内で虫が成長し、心臓などに入り込んで死をもたらします。
この犬にとっては非常に怖いフィラリア症の治療薬が1986年に登場します。
それによって急速にフィラリア症でなくなる犬が減って行きました。
〈理由その3〉
「室内飼いが増えた」ことです。
室内で飼育することで雨風に当たらずにすみます。
また、寒さ極暑などから守られるようになりました。
それによって免疫力が落ちにくくなり、病気に掛かりにくくなりました。
また、飼い主が犬の異変に一早く気がつくことができるようになったことで寿命が伸びたのです。
【犬の寿命は短い】
犬は人間よりもずっと早く年を取ります。
見た目は人間ほどの大きな変化がないように思われますが、犬も病気になったり老化したりします。
〈犬の老化の症状〉
老化してくると以下のような症状が現れます。
・寝てばかりいる。
・耳が聞こえにくくなる。
・反応が鈍くなる。
・音に鈍感になる。
・暗いところでぶつかってしまう。
・食が細くなる。
・散歩のときの歩くスピードが落ちてくる。(トボトボと歩く)
・耳が聞こえにくくなる。
・排便が出にくくなる。
【体格による老いの差】
〈大型犬〉
大型犬とは、体重20㎏以上ある犬のことをいいます。
残念ですが、大型犬は小型犬よりも寿命が短く、7歳ぐらいから老化が始まります。
大型犬の中には人間が改良を重ねて生れた犬種が多く、本来の犬の骨格よりも大きくなっています。
そのため、股関節に負担がかかり、股関節形成不全に陥ることが多くなります。
そうなると下半身が動かなくなり、寝たきりになるケースがよく見られます。
〈中型犬〉
中型犬とは、体重が7㎏~20㎏以下までの犬のことをいいます。
中型犬の大きさが、犬本来の大きさです。
中型犬は、9歳を過ぎると老化が始まります。
〈小型犬〉
小型犬とは、体重が7㎏以下の犬のことをいいます。
小型犬は、腰にあまり負担がかからないため大型犬と比べると寝たきりになる確率は下がります。
また、室内飼いされているケースがほとんどなので、自然環境から守られた生活をしています。
そのことで大型犬、中型犬と比べると老いは遅くなります。
小型犬の老化は、10歳前から兆候が見られます。
【一番長生きする犬種は?】
犬の犬種は数十種類もありますが、一番長生きする犬種はなにか?
それは雑種です。
純血種よりも雑種の方が一般的に長生きします。
その理由のひとつとして言われているのが、純血種の犬の出産前の扱いです。
純血種の場合は、産まれる前から、レントゲン検査やエコー検査をされています。
胎児のときに放射線を浴びているということです。
それは胎児の骨格などを調べて、自然分娩するか帝王切開するかを見極めたりするためです。
雑種の場合は、いちいちレントゲン検査などをして調べることはほとんどありません。
つまり、雑種の場合は、健康に産まれてきた犬は育つことができ、虚弱体質な犬は淘汰されていくのです。
そのことで多少の悪環境でも生き抜ける犬が残っていきます。
結果的に雑種の犬は病気になりにくい遺伝子が残りやすくなっているのです。
長寿犬の番付統計によると、上位はほぼ雑種がしめています。
雑種の次に長寿なのが、柴犬です。
柴犬が長生きなのは日本で繁殖されたため、比較的日本の風土にあっているからと言われています。
【自分の飼い犬が一番】
これから新たに犬を飼おうと考えている人は、こうした犬の寿命(老化)ということも考慮すると良いでしょう。
いずれにしても一度家族として向かい入れたからには、一日でも健康で長生きしてほしいですよね。
愛する飼い犬と幸せに暮らすためにも、あっという間にやってくる犬の老化に気がついてあげることが大切です。
合わせて『犬の老化のサインを見逃さない』をご覧ください。
お読みいただきありがとうございました。
