
飼い犬が認知症になってしまったときの対処法!
【夜中に歩き回る】
夜に徘徊する犬は、昼に寝る時間が長くなる傾向があります。
徘徊自体を止めるのは困難ですが、昼夜のバランスを保つことで、夜間の徘徊をある程度抑えられます。
〈対処法〉
できるだけ昼間に眠らせないように起こしてあげましょう。
昼間に運動をして疲労させます。
散歩などで日光浴をさせます。
【夜鳴きする】
認知症による夜鳴きの場合は、徘徊同様に昼夜のバランスを保つことで、夜寝るように促します。
獣医師から睡眠導入剤の処方してもらう方法もありますが、老犬個体の体質もありますから、あまり効果がないとか、逆に効きすぎて危険なケースもあります。
また、処方量が増えると、犬が普段からぼーっとするなどの副作用が出てくることが多いので、使用については獣医師と相談しながら適量を使うようにする必要があります。
〈対処法〉
基本的には【夜鳴きする】の対処法と同じです。
それと、睡眠導入剤を使用することがあります。
【名前を呼んでも反応しない】
この場合は認知症ではなく、聴力や視力の低下が原因のケースの可能性があります。
愛犬の視野に入る場所で、大きくはっきり聞こえる声で名前を呼びます。
もし、それでも反応しない場合は認知症が進んでいます。
〈対処法〉
愛犬の近くで、愛犬の目を見て、はっきりとした声で話しかける。
愛犬の新しい個性だと思って受け入れて、共に暮らす。
【目の焦点があっていない】
愛犬が遠くをみているような表情をしたり、目の焦点が合っていないことが増えてきます。
場合によっては、飼い主が急に触ったり、目の前に手を出したりすると、興奮して噛まれることがあります。
散歩中も他人に噛みつくなどの不測の事態が起きる可能性があります。
〈対処法〉
大きな声で驚かさない。
急な動きで刺激しない。
【ぼーっとしている】
老犬になると傾向として穏やかになり、感情を若いときのようにあまり見せなくなります。
感情の表現が極端に減った場合は認知症です。
睡眠導入剤を飲んでいる場合は、副作用でぼーっとしていることがあります。
〈対処法〉
睡眠導入剤の効果が強いようでしたら、薬の量(または回数)を減らします。
散歩や遊びなどで、常に刺激を与える。
【急に怒ったり、噛んだりする】
一概に認知症の症状とはいえませんので、他の要素がないか考えましょう。
特に目が悪くなると、そうしたことが起こります。
〈対処法〉
背後から驚かさない。
急な動きで刺激しない。
特に頭の上から手を出すことに注意して、出来るだけ手を出すときはゆっくりと犬の目線の下から出すようにする。
【しつけたことができなくなる】
「待て」「おすわり」などの飼い主がしつけたことができなくなります。
犬の認知症の代表的な症状です。
〈対処法〉
飼い主としては辛いですが、叱ったり、無理に再びしつけたりせずに、現状を受け入れて暮らしましょう。
【食事が終わった後に食事を要求する】
認知症になると、食事をしてもすぐに忘れてしまいます。
なので、食事をくれと飼い主に要求するようになります。
〈対処法〉
要求するからといって食事をあげるのは止めましょう。
過食になり、肥満につながります。
一度に与える量を減らし、回数を多くするなどで対処しましょう。
【家具や壁にぶつかり後ろに下がれなくなる】
老犬にとって後ろに下がる動作は非常に複雑で難しい動作です。
認知症によって、脳機能が低下して起きる症状です。
また、狭いところに入って出られなくなります。
〈対処法〉
尖った家具や部屋の壁などに保護材(クッションなど)を取り付けるなどをして、愛犬がぶつかっても怪我をしないようにします。
特に階段や尖った場所に注意します。
ご飯とお水の皿を壁際におかないようにします。
(壁際におくと食事後、そこから動けなくなります)
【ぐるぐると同じところを回っている】
認知症だけではなく、前庭障害という脳の障害の疑いもあります。
動物病院で検査を受けてください。
〈対処法〉
狭いところでぐるぐると周るようなら、ぶつからない場所に移動してあげます。
また、ぶつかるような障害物を取り除きます。
出来るだけ優しくハグして落ち着かせます
サークル型のゲージを設置するなどします。
【お漏らしをしてしまう】
トイレの場所が分らなくなります。
また、我慢ができなくなります。
〈対処法〉
出来るだけおむつをします。
おむつができない場合は、シートタイプのトイレを複数おいておきます。
床に汚れては困るものを置かないようにします。
畳の部屋がある場合は、畳の部屋に入らないようにします。
【その他の認知症の予防および対処】
「散歩のコースを変更する」
散歩コースを通いなれたコースから変えることで刺激を与え、脳の活性化を促します。
毎回同じコースではなく、違う景色、違う空気や匂いを感じられるようにしましょう。
「遊んであげる」
老犬になると運動量が減ります。
飼い主も老犬になったからと思わずに、おもちゃなどを使って積極的に遊ばせるようにします。
遊ぶことで五感をフルに使い良い刺激になります。
「部屋の環境を変えてあげる」
老犬は自律神経の機能が低下しているので、部屋の温度に気を付けることも大切です。
犬という生き物は寒さに強く、暑さに弱い特徴があります。
夏は涼しくして、冬は26~27°Cぐらいの室温を保ちましょう。
あとは、すべりやすい床に床材などを敷いて滑らないようにします。
「スキンシップをする」
認知症になったからといって、静かな場所でずっと放置するようなことは良くありません。
飼い主とのスキンシップは飼い犬にとっては一番良い刺激になります。
さらに飼い主との絆を感じることで犬の寂しさが癒されます。
犬も年を取ると人間のように寂しい気持ちになります。
名前を呼んだり、話しかけたり、撫でてあげたりするスキンシップをすることで愛犬の心が満たされます。
また、後ろ足などをマッサージしてあげることも良いです。
お読みいただきありがとうございました。
