
【ペット大国日本の動物愛護の現状】
現在日本で飼育されている犬と猫の数は、約1,855万頭。
しかし、年間10万頭以上が保健所などに引き取られ、そのうちの約43,000頭が殺処分されています。
43,000頭ってかなり多いですよね!
これはひどい。
そしてとても悲しい。
想像してみてください。
これがもし、人間だったら。
毎年4万人もの人が殺されているとしたら。
ヒトラーなんて子供騙し、ということになっちゃいますね。
動物を嫌いだとか、飼いたいと思わないという人もいると思いますが、我々人類の友である犬と猫がこれほど多く命を奪われていることを多くの人に知って欲しいと思います。
また、殺されはしなかったけれど、迷子になったり、捨てられたりして、10万頭もの犬と猫が保護されている現状には胸が痛みます。
牢屋のような無機質な部屋に入れられて、きっと不安と恐怖に怯えているのでしょう。
【動物愛護センターの取り組み】
神奈川県平塚市にある動物愛護センターでは、迷子になった犬や猫などを保護しています。
また飼い主がやむを得ない理由で手放したペットたちもセンターで保護しているのです。
実はこの動物愛護センターは今年の6月からスタートした施設なのですが、すぐ隣には元々あった動物保護センター(愛護センターの前身の施設)という施設がありました。
そちらの保護センターができた昭和40年代には、年間犬が2万頭以上、猫は1万数頭以上が殺処分されていたそうです。
しかし、新しくできた動物愛護センターでは、殺処分するためのガス室と焼却炉がない施設となっています。
つまり、殺処分するのではなく、保護する施設に変わったということです。
こちらの施設では保護した犬や猫を譲渡にむけての準備をしています。
犬は平成25年度から猫は平成26年度から殺処分ゼロになりました。
いままでの施設は殺処分するための施設でしたが、新しい愛護センターは、保護した動物たちがより元気に過ごせるように「動物ファースト」で考えられているのです。
施設内には最新設備が整っているので、去勢手術、避妊手術をすることが可能です。
また動物用のICUも導入されています。
こちらの施設は開館時間であれば施設を見学することが可能です。
こちらの施設で保護される犬猫はどんなケースが多いのかというと。
約6割が迷子です。
この迷子というのが厄介なのです。
全国的にみても迷子になった犬猫は、ほとんど飼い主に返還出来ていないそうです。
保護された動物約10万頭(全国)に対して、殺処分されてしまったのが約43,000頭、譲渡されたのが約44,000頭で、元の飼い主に返還されたのは約13,000頭です。
つまり、迷子になった犬猫が飼い主の元に戻る確率はわずか1割なのです。
【迷子の犬猫を減らすには】
犬の場合は、狂犬病の予防注射が義務付けられているので、毎年予防注射をしていれば「狂犬病予防注射済み」という「済み票」をもらえるので、それを首輪に付けることが大切です。
また鑑札票と一緒につける必要があります。
この二つが首輪につけられていれば、飼い主の元に戻すことができます。
しかし、実際は「済み票」も「鑑札票」も付けていない犬が多くいるのです。
鑑札票と予防注射の済み票以外にも飼い主を特定することができるものがあります。
それが「マイクロチップ」です。
マイクロチップには、飼い主の情報が入れられているので、マイクロチップを入れている犬であれば迷子になった場合でも探し出すことができるのです。
現在のマイクロチップは8mm未満と小型化されています。
実は今年(2019)の6月に改正動物愛護法が可決され、ペットショップなどで販売する場合、犬猫へのマイクロチップ装着が義務化されました。
マイクロチップには15桁の番号が入っているだけなので、その番号を登録して飼い主の個人情報を登録する必要があります。
マイクロチップだけ入っていても、飼い主の個人データの登録がなければ飼い主が特定できないのです。
室内飼いでも鎖で繋いで飼っていても、マイクロチップを入れておくことで、災害時に役に立ちます。
災害はいつくるか分かりません。
そのときになって後悔するよりは、マイクロチップを入れておいて、安心して暮らす方がいいと思います。
愛するペットの体内に異物を入れることに抵抗を感じる人もいると思います。
でも、注射と比べてもそれほど変わりはありません。
ほとんどが首の後ろに入れます。
犬の負担はほとんどありません。
むしろ安全が確認されているものです。
もしものときのために、マイクロチップを入れておくことをおススメします。
【保護される動物を減らす最新アプリ】
保護される動物を減らすアプリを開発した企業があります。
株式会社オープンストリームは、迷子のペットを探せる「ねこもに」を開発しました。
猫の首に発信機付きの札のようなものを取り付けて、アプリで居場所を探すものです。
(Bluetoothの電波で位置情報を知ることができる)
重さは10g程度なので猫の負担はほぼありません。
アプリを起動すると猫につけた発信機の場所を特定して、猫がどこにいるのか知ることができます。
GPSの装置だと電池や充電する必要がありますが、Bluetoothにすることで軽量となり電池が長持ちするのです。
約1年間電池が持ちます。
飼い猫が迷子になって捜索となった場合、電波をキャッチするとブルブルッと振動で知れせてくれます。
ただし、見通しが良いところで75mの電波しか拾えません。
ですから猫のいそうな場所をとにかく歩くことが重要です。
ちなみに「ねこもに」は犬につけても大丈夫です。
というよりもほとんどのペットに装着可能です。
【まとめ】
犬や猫にとっての幸せとはなにかと考えると、きっと人間(飼い主)と一緒に暮らすことではないかと思うのです。
10万頭もの犬猫が保護され、4万頭以上が殺処分されていることをもっと多くの人がしるべきではないかと思います。
まずは保護される犬猫が減ること。
次に保護された犬猫に新しい飼い主が見つかること。
こうした動物殺処分問題は、動物保護活動を専門にしている人だけに任せるのではなく、もっと多くの人が関わり、一頭でも殺処分することのない世の中になって欲しいと思います。
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