人と犬の特別な絆について!
【人と犬の特別な絆】
人と犬だけが築ける特別な絆があります。
人と犬の関係を調べるために、ある実験が行われました。
その実験とは「人の気持ちが犬に伝わるかを調べる実験」です。
実験に参加するのは飼い主と犬、それと飼い主にストレスを与える役の二人です。
犬には飼い主しか見えないように囲いの中で待機させます。
(犬から飼い主の姿は見えています)
この状態で飼い主にストレスを感じる課題が出されます。
課題として、複雑な暗算を出題します。
このときに飼い主と犬には心拍数を計る装置をつけます。
飼い主が緊張したときに、それぞれの心拍にどんな変化が起きるかを調べました。
飼い主は簡単には解けない暗算問題を解こうとしてストレスを感じます。
すると飼い主の心拍があがった同じタイミングで犬の心拍もあがりました。
このとき犬はうつ伏せの姿勢のままで、なんの動きもありません。
ですが、飼い主の心拍が速くなると、そばにいる犬の心拍も速くなり、飼い主の心拍が遅くなると、犬の心拍も遅くなっていきました。
長く一緒に暮らしていると、飼い主の気持ちが飼い犬に移ってくるのです。
このときに犬がどうやって人の感情を読んでいるのかは、詳しく解明はされていません。
少なくとも声や表情から飼い主の気持ちを感じ取り、それ以上のなにかを感じ取っているといることは明らかです。
人の感情を、犬は感じ取ることができるのです。
【人を癒すセラピー犬】
病院などで活躍するセラピー犬がいます。
セラピー犬は元気な子供たちを相手にするときは、元気に振舞います。
ですが、手術前の子供を相手にすると、セラピー犬はじっとおとなしくしています。
それは教えられたわけでもないのに、静かにしなくちゃと思っているようです。
また、重度の認知症の患者を訪れると、普段表情を見せない患者さんが笑顔を見せます。
普段目を覚まさないような患者さんでも、セラピー犬が来ると犬を撫でようと進んで体を動かします。
家族の呼びかけにも応えない患者さんが、セラピー犬を見て声を出したり反応したりするのです。
他にもリハビリに付き添うセラピー犬もいます。
【なぜ犬は人に寄り添うことができるのか?】
それは犬の脳には人間の感情を読み取る仕組みが存在しているのです。
犬に人間の様々な感情の声を聴かせてそのときの犬の脳がどんな反応をするのかを調べた研究があります。
犬に、人間の笑い声を聴かせます。すると犬の脳が活発になりました。
次に、不機嫌な声を聴ませます。すると犬の脳は活動を低下します。
この脳の反応は人間がする反応と同じなのです。
これは犬が人の喜怒哀楽を読み取る能力を有しているということを証明しています。
【犬は人を癒す力を持っている】
人と犬が見つめ合うと、特殊なホルモンが分泌されます。
それは「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンです。
オキシトシンは相手への愛情を深め、絆を強めるホルモンです。
さらに心を癒したり体の痛みを和らげる働きをします。
犬と見つめ合った時、人間のオキシトシンは3倍以上に増加します。
おもしろいことに、それは犬にも同じことが起こるのです。
人と見つめ合うことで犬もオキシトシンが分泌されたのです。
これまでの科学では、オキシトシンは同じ種の動物同士で出るホルモンだと言われていました。(同じ種の親子で作られるホルモンであると考えられていた)
オキシトシンは本来、出産時や授乳時に母親から分泌されるホルモンと言われていました。
ところが、最近の研究では、人を好きになったとき、信頼するとき、協調行動を取ったときなどの場合にも作用することが分ってきました。
犬と触れ合うことは、人間の赤ちゃんを可愛がるときと同じくらいオキシトシンが分泌されます。
それくらい癒しの効果があるのです。
オキシトシンは、相手の気持ちを読み取る能力を上げることができるホルモンなのです。
【なぜ人と犬が特別な関係を結ぶことができるようになったのか】
そのなぞを解いたのはロシアの遺伝学の研究者であるドミトリー・ベリャエフ博士です。
ベリャエフ博士はイヌ科の動物であるキツネを題材にして研究をしました。
キツネが子供を産むと比較的穏やかなキツネを選び出し、そのキツネが子供を産むと、さらに穏やかなキツネを選びだし育て続けました。
こうした穏やかな性格のキツネを選び続けて交配し続けた結果、6世代目では人間に甘えるしぐさをみせ、16世代目では体が犬のように(尻尾が巻き上がったり、耳が垂れたり)なりました。
56世代目ともなると、人間の指示を理解し、コミュニケーションが取れるようにまでなりました。
見た目はキツネですが、しぐさや行動が犬のように変化したのです。
さらに頭蓋骨を調査した結果意外なことがわかりました。
イヌ化したキツネの頭蓋骨は長さが短くなっており、幅は長くなっていました。
全体的に顔が丸く変化したのです。
この特徴は子供の時期の頭蓋骨のまま大人になったことを意味します。
「子供の特徴を持ったまま大人になる」
これが野生のキツネが犬のようなキツネになるための大事な要素だったのです。
こうした変化は体内でも起きていました。
体内にある攻撃性を生みだすホルモンであるコルチゾールが通常のキツネの半分にまで減少したのです。
このことによって本来は警戒心の強いキツネが人懐っこくなった理由だと考えられています。
そして脳にも子供の特徴が見られます。
記憶や学習を司る海馬で生まれる神経細胞が普通のキツネの2倍も増えたのです。
つまり脳が子供のときのように若々しい状態を保っているということです。
子供化した脳は、人懐っこい性格だけでなく、新たなことを学び記憶していくことができます。だからこそ、人間を知り、人間への愛情を深めることができたのだと考えられています。
このキツネの研究で明らかにされたことが、犬の先祖と人間の間で起きてきたのであろうと思われます。
つまり、危害を加えないオオカミを人間のそばに置くようになり、それを繰り返したことで、結果的に人懐っこい犬が生まれてきたのではないかと考えられています。
これは子供っぽいオオカミが人間のそばにいるようになったことになります。
この子供っぽいということを「幼形成熟(ネオテニー)」と呼びます。
幼い形のまま成熟できるということを意味します。
このネオテニーが起こった動物に人間が含まれています。
幼形成熟とは、大きくなっても遊びをする、よくしゃべる、新しいことを学習するという要素です。
【人と犬は特別な関係】
人にとって犬とは特別な存在だということです。
犬は、人間の感情を読み取り、コミュニケーションを取り、寄り添って生きることで癒しを与えてくれます。
人間にとって犬は、かけがえのない生き物だということです。
人の悲しみを感じ取り、癒してくれる犬って素晴らしい!
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